労務ハック

労務管理 × 社労士試験対策

ライフイベントから探す | 就職 65歳

確定給付企業年金・厚生年金基金 解説

確定給付企業年金(DB)は企業が給付額をあらかじめ約束し、掛金は企業が拠出する退職年金制度です。厚生年金基金は厚生年金の一部代行機能を持ちますが、財政悪化により代行返上が進みました。確定拠出年金(DC)との違いは運用リスクの所在で、DBでは企業が運用リスクを負います。

確定給付企業年金(DB)厚生年金基金は企業年金制度の2本柱。制度の仕組み・掛金・代行制度・設立要件が試験で問われます。
確定給付は企業が全額負担 厚生年金基金は移行済み 企業年金3種類の比較

確定給付企業年金(DB)の概要

項目 内容
制度類型 ①規約型(生命保険・信託銀行に運用委託) ②基金型(企業年金基金を設立)
掛金負担 原則として事業主が負担(加入者拠出も規約で可能)
給付水準 あらかじめ規約で定められた確定した給付額を支給(運用リスクは事業主が負担)
受給資格 加入期間20年以上で老齢給付金の受給権(規約で短縮可)

厚生年金基金(厚年法第138条〜)e-Gov↗

代行制度 厚生年金の老齢厚生年金の一部(代行部分)を基金が代わりに支給する制度(上乗せ給付も可)
新設禁止 2014年(平成26年)4月以降は新設禁止。解散・代行返上が相次いでいる
代行返上 代行部分を国に返上して確定給付企業年金または確定拠出年金(DC)に移行できる
設立要件(旧制度) 単独設立:1,000人以上 連合設立:5,000人以上(制度廃止前の基準)

DB・DC・厚年基金 比較

比較項目 確定給付(DB) 確定拠出(DC)
給付額 確定(約束された額) 運用実績による(変動)
運用リスク 事業主が負担 加入者が負担
ポータビリティ 限定的 高い(個人別管理)

試験対策ポイント

  • DBは給付額確定・運用リスクは事業主負担、DCは運用実績で変動・リスクは加入者
  • 厚年基金の代行制度:基金が老齢厚生年金の一部を代わりに支給
  • 厚年基金は2014年4月以降新設禁止
  • DBの受給資格:加入期間原則20年以上
  • 代行返上でDB・DCへの移行が可能
根拠法令:確定給付企業年金法(DB法)・厚生年金保険法第138条〜(厚生年金基金)・確定拠出年金法(DC法)

企業年金(DB・厚年基金)が気になる方へ

会社に確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金がある場合、退職後の給付に大きく関わります。制度の概要と退職時の手続きを確認しておきましょう。

✅ DBは将来の受取額があらかじめ決まっています

確定給付企業年金(DB)は、加入期間や給与に基づいてあらかじめ受取額(給付額)が確定している制度です。運用リスクは事業主が負担するため、加入者は将来の年金額を事前に把握できます。退職時には年金規約で受給要件・金額を確認しましょう。

✅ 中途退職時は脱退一時金または年金として受け取れます

DBを途中で退職した場合、加入期間が短ければ脱退一時金として、一定期間以上であれば年金として受給できます。また他の企業年金やiDeCoへ資産を移換(ポータビリティ)できる場合もあります。退職時に担当部署へ必ず確認しましょう。

✅ 厚生年金基金は2014年4月以降新設禁止です

厚生年金基金は財政問題から2014年4月以降の新設が禁止されています。既存の基金も多くが解散・代行返上済みです。基金に加入中の方は基金からの通知を確認し、解散時には個別の対応(DBへの移行等)が必要になります。

根拠法令

確定給付企業年金法 第3条 e-Gov
事業主が労働者の老後の所得保障のために設ける確定給付企業年金の規定。給付額があらかじめ確定し、事業主が全額掛金を拠出する。
関連する解説ページ