同一労働同一賃金 ガイドライン改正
2026年10月施行改正の背景
2020年施行の同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法、派遣法改正)以降、
基本給・賞与・各種手当の不合理な待遇差に関する指針が運用されてきた。
しかし退職手当・家族手当については指針での明示的な言及がなく、
企業・労働者双方に解釈の不明確さが生じていた。2026年10月の改正でこれを明文化。
改正のポイント①:退職手当の基本的考え方
改正前の状況
退職手当は「その他の待遇」として同一賃金の対象となるが、ガイドラインに具体的な記載がなく、 正規・非正規間の差異の合理性判断が困難だった。
改正後の基本的考え方
- 退職手当の目的(勤続報奨・功労報償・生活保障等)を踏まえた合理性判断
- 有期雇用労働者に退職手当を支給しない場合、その理由の合理性が問われる
- 勤続年数・職責・正規との転換可能性等を総合考慮
改正のポイント②:家族手当の基本的考え方
家族手当の目的と合理性
- 家族手当が扶養家族の生活費補助を目的とする場合 → 正規・非正規問わず同等の家族構成であれば同等の支給が原則
- 家族手当が正規雇用の処遇体系の一部(職務等級に連動)として設計されている場合 → 差異に合理性あり
- 支給目的・設計根拠を就業規則に明記することが重要
実務上の対応
- 既存の家族手当規程の目的・算定方法を書面で整理・明確化
- パート・有期雇用社員への支給有無・条件を点検
- 不合理な差異がある場合、2026年10月を目途に見直しが必要
改正のポイント③:雇入れ時の待遇差説明義務の明確化
根拠条文:パートタイム・有期雇用労働法 第14条e-Gov↗
事業主は短時間・有期雇用労働者を雇い入れたとき、待遇の内容・理由を説明する義務がある(第14条1項)。 労働者が求めた場合も説明義務(第14条2項)。
改正で明確化される点
- 退職手当・家族手当の差異についても説明義務の対象であることを明示
- 説明すべき「待遇の内容・理由」に退職手当・家族手当の取扱いを含むことを指針で明記
- 説明を求めたことを理由とした不利益取扱いの禁止(第14条3項)も変わらず適用
同一賃金 制度の全体像(試験対策)
| 法令 | 対象 | 主な義務 |
|---|---|---|
| パートタイム・有期雇用労働法 | 短時間・有期雇用労働者 | 不合理な待遇差禁止・均等待遇・説明義務 |
| 労働者派遣法 | 派遣労働者 | 派遣先均等・均衡方式 または 労使協定方式 |
| 同一賃金ガイドライン(本改正) | 全対象 | 退職手当・家族手当の基本的考え方を明示 |
頻出の数値・キーワード
- 「不合理な待遇の相違」の禁止:パート・有期法第8条(均衡待遇)
- 「差別的取扱いの禁止」:同第9条(均等待遇・職務内容・配置変換範囲が同じ場合)
- 説明義務違反は行政指導・過料の対象(罰則規定あり)
- 短時間・有期雇用の通算勤続5年超で無期転換申込権(労働契約法第18条)
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試験対策ポイント
- 同一労働同一賃金:パートタイム・有期雇用労働者への不合理な待遇差別禁止(2020年4月〜大企業、2021年4月〜中小)
- 均等待遇:正規・非正規で職務内容が同じなら差別禁止(パート有期法第9条)
- 均衡待遇:職務内容が異なる場合でも不合理な差異は禁止(第8条)
- ガイドライン:基本給・賞与・各種手当・福利厚生の待遇差が許容されるかどうかの具体的指針
- 説明義務:非正規労働者が求めた場合、正規との待遇差の理由を事業者が説明する義務
パート・契約社員として働くあなたへ
同一労働同一賃金ガイドラインに基づく待遇改善の求め方を確認しましょう。
✅ 不合理な待遇差があると感じたら、会社に説明を求める権利があります
パートタイム・有期雇用労働法により、非正規労働者が正規との待遇差について 説明を求めた場合、会社はその理由を説明しなければなりません(第14条)。 「なぜ正社員と同じ仕事をしているのに賞与がないのか」など具体的な疑問を申し出てください。
✅ 通勤手当・慶弔休暇等の福利厚生での差別は禁止されています
ガイドラインにより、通勤手当・出張旅費・慶弔休暇・慶弔見舞金・休憩室・更衣室の利用等は 合理的理由なく正規・非正規で差をつけることが禁止されています。 福利厚生での不当な差別がある場合は都道府県労働局に相談できます。
✅ 説明を求めたことを理由とした不利益取扱いは禁止されています
待遇差の説明を求めたり、都道府県労働局に相談したりしたことを理由として、 会社が解雇・雇い止め・減給等の不利益な取扱いをすることは禁止されています。 不利益取扱いを受けた場合はすぐに都道府県労働局に相談してください。
根拠法令
不合理な待遇差の禁止(均衡待遇・均等待遇)を規定。2020年4月施行(大企業・2021年4月中小)。同一労働同一賃金ガイドラインで具体的な判断基準を示す。